ETCパーソナルカードってなんだ?

この記事では、ETCパーソナルカードについて、その内容から作り方、使い勝手などについて書かれています。
おおよそ、10分弱で読めます。

ETCパーソナルカードってそもそも?

クレジットカードがなくてもETCが使える!
ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカード公式サイト(https://www.etc-pasoca.jp/)から抜粋引用

公式サイトにあるとおり、本来であればクレジットカードと直結しているため、クレジットカードがないと発行されないETCカードですが、これをデポジットを支払うことで、誰でも発行してもらえるという、一部の人にとってはありがたいETCカードです。

ETCパーソナルカードですが、使用履歴に関わらず、必ず年会費が徴収されます。2022年4月現在では、税込みで1,257円が年会費となります。

どこかで聞いたデポジットという単語

はい、そうですね。デポジットという単語は、前にこちらのデポジット型クレジットカードってなに?という記事でも、何度も出てきている単語です。

これは、先に保証金として指定の金額を預託することを言います。デポジット型クレジットカードでは、デポジットの額イコール限度額でしたが、ETCパーソナルカードでは異なります。以下の通り、少々計算式が複雑です。

まず、平均の利用月額を出します。この平均利用額が5,000円以下の場合は、5,000円とし、それ以上の場合は5,000円単位で切り上げます。つまり、平均利用月額が2,000円くらいであれば、5,000円、7,000円くらいの場合は切り上げて10,000円となります。

そして、その平均の利用月額の4倍がデポジットの額となります。

平均の利用月額5,000円以下10,000円15,000円20,000円
デポジット額20,000円40,000円60,000円80,000円
平均の利用月額の4倍がデポジットの額

そして、月の利用額がデポジット額の80%を超過すると、そのETCパーソナルカードは一時的に利用停止となります。例えばデポジット額が20,000円の場合は、80%の16,000円を超えると利用停止となります。

デポジット額20,000円40,000円60,000円80,000円
利用停止額16,000円32,000円48,000円64,000円
デポジット額の80%が上限額になります

デポジット額20,000円だけ特殊

デポジット額が最低の20,000円の場合に限り、未決済金額がデポジット額の70%、14,000円を超えた際に、デポジットの増額が要求され、自動で引き落とされます。これは、未決済金額が70%に達した日以降の、6日または23日に引き落とされます。その後は、デポジット額40,000円のETCカードとして利用できます。

ETCパーソナルカードの場合、デポジット額が上限額とはなりません。また、デポジット額はETC通行料金として充当されることもありません。お気をつけ下さい。

それでも便利なの?

デポジット額に縛られるETCカードって、それでも便利なの?と思われるかもしれません。

これは、デポジット型クレジットカードでも同じことを書いていますが、何らかの事情をお持ちの方で、ETCカードが必要という方にとっては、ありがたいカードなのだと思います。

ちなみに、私は記事執筆段階では、すでに解約済みです。

通行料金の支払いは?

申込時に銀行口座を指定します。その口座から、毎月引き落とされます。

通行料金は、月末日が締め日です。月初の1日から末日までの通行料金を、翌月の27日(金融機関休業日は翌営業日)に、全額一括で引き落とされます。

さらに、この引き落としがあっても、入金(振り込み結果)の確認に数日を要し、その間は利用額がクリアされません。利用額の上限突破に注意が必要です。ETCゲートのバーが開きません。これ、大迷惑です。

大型連休前には、事務局から「カードの上限額に注意してください」という旨のメールが来て、注意喚起が行われます。

じゃぁ突破しそうになったらどうするの?

実は、デポジットは増額が可能です。ETCパーソナルカード事務局に連絡することで、振込用紙が郵送されます。この用紙を使用して振り込むことで、増額ができます。ただし、この入金の反映にもある程度の時間がかかると記載があります。連休で普段より多めに使う予定があるのであれば、その1ヶ月前までには振り込みをしておくと良いかと思います。

いずれにせよ、何をするにも時間がかかるのが難点です。

カード発行までの手続きは?

  1. まずは、公式サイトに行きましょう。
    • ページ中程に、ETCパソカ申込書作成というボタンがあります。ページ内必要事項をすべて記入の上、「入力内容を確認する」ボタンクリック後、PDFファイルが出力されますので、そのままA4の用紙に印刷します。
      なので、自宅にプリンターがないと、Webからの申し込みはできません。
    • ご自宅にプリンターがない場合は、ETCパーソナルカード事務局に電話すれば、郵送で送ってもらえます。または、高速道路上のサービスエリア等のインフォメーションカウンターで申込用紙を配布しています。
  2. いずれかの方法で申込書を作成したら、ETCパーソナルカード事務局に郵送で送ります。
  3. 事務局でもろもろの確認が行われた後、デポジットの振込用紙が返送されます。
    お近くのコンビニなどでお支払いください。
  4. デポジットの入金が確認された後、書留でETCパーソナルカードが送付されます
    • デポジット振り込み後、2週間程度が目安です。
  5. 到着後は、即日利用可能となります

こんな感じです。こちらから郵送、振込用紙が返送され、入金後カードが郵送されます。
郵便事情などにもよりますが、申込書発送からカード到着まで、概ね1ヶ月程度はかかると思ってください。この辺、クレジットカードに付帯するETCに比べると、相当な時間がかかります。クレジットカード付帯のETCカードなら、オーダーから早ければ数日、長くても2週間程度で到着しますもんね。

解約は?

解約についても、申し込みと似たような手順になります。

  1. ETCパーソナルカード解約届兼デポジット変換請求書【Web版】を印刷します。
    • この用紙に、必要事項を記入します。
      • 提出年月日
      • 名前
      • お客様番号またはカード番号
      • デポジット額(不明なら空欄のまま)
  2. 以下の物を同封します
    • ETCパーソナルカード現物
      • 必ず、ICチップ部分ハサミを入れます
      • (あれば)「デポジット預り証」、および「増額デポジット預か証」
        • これは、平成20年4月1日以降、発行していないそうです

これを郵送します。指定はありませんが、不安なら簡易書留が良いかもしれません。
この書類が事務局到着次第、カードは利用停止となります。

デポジット返して?

安心してください。ちゃんと返ってきます。
ただし、時間はかかります。

まず、先の解約届け兼なんちゃら(以下書類と記載します)到着後、未払い料金(未決済金額)をデポジットと相殺することになります。
そもそも、高速道路の通行料金の確定には、多少の時間がかかります。そのため、書類到着から通行料金の確定、未決済金額をデポジット額から相殺、といった作業が行われるため、かなりの時間がかかります。

公式サイトでは、書類到着からデポジット返金まで、1ヶ月半から2ヶ月程度かかると記載があります。

そして、そのデポジットは、登録口座(通行料金の引きおとし口座)に振り込みで入金されます。

そんなETCパーソナルカード

正直、普通にクレジットカードに付帯するETCカードがあれば、見向きもされないサービスです。
特別な理由がないなら、まるでオススメできません。
結局、クレジットカードバンザイな世の中なんだなぁ、という感想です。