公認バレーボールコーチ1の講義・試験内容

2022年4月5日

公認バレーボールコーチ1座学試験内容

この記事では、2021年度の埼玉県内で行われた、公認バレーボールコーチ1資格取得の際に行われた、座学・最終試験の内容、および公認コーチ1の資格が必要かどうかについて書かれています。

おおよそ8分から10分ほどで読めます。

2023年度の予定について(2023年5月追記)

2023年度の予定内容を、2023年度 日本スポーツ協会公認 バレーボールコーチ1講習会のページに書かせていただいています
2023年度にバレーボールコーチ1を取得しようとお考えの方は、そちらのページもぜひご覧ください
このページと合わせまして、皆さまのご参考になれればと思っています、
よろしくお願いします。

公認コーチ1(旧 指導員)とは

地域スポーツクラブ・スポーツ少年団・学校運動部活動等でのコーチングスタッフとして、基礎的な知識・技能に基づき、安全で効果的な活動を提供する方のための資格です。

公益財団法人日本スポーツ協会

このように、日本スポーツ協会では定義されています。そして、ベンチ内に最低でも1人の公認コーチ1の資格を持つ指導者がいないと、全国大会に出場することができません。
つまり、チーム内の指導者にとっては、最低限必要な資格ということになります。
資格取得に必要な時間は、後述しますが自宅でのレポート執筆時間と共通科目単位取得を含め、65時間ほどが必要となります

共通科目とは

コーチ1を取得する際に必要となる学科の単位です。NHK教育講座を利用して、リファレンスブックの読み込みとマークシート式の試験を行い、一定以上の得点をとれれば資格取得になります。公益財団法人日本スポーツ協会における必要時間では、45時間となっています。また、受講料とリファレンスブック代で¥22,000円がかかります。
自分の場合は、コーチ1の取得よりも先に、コーチングアシスタントを取得していたので、そちらで実施済みでした。なお、下記にあるように、このコーチングアシスタントの資格だけでは、指導者になれません。

令和2(2020)年度から、スポーツ少年団登録において「指導者」として登録するためには、「JSPO公認スポーツ指導者資格」の保有を義務付けています。令和元(2019)年度までスポーツ少年団が養成していた「スポーツ少年団認定員」が保有している「JSPO公認スポーツリーダー(永年認定)」は、登録更新資格ではないことから、スポーツ少年団登録において定める「JSPO公認スポーツ指導者資格」に該当しないため、スポーツ少年団登録において「指導者」として登録することができません

公益財団法人日本スポーツ協会

ですので、「指導者」としての登録においても、公認コーチ1の資格は必須となります。

公認コーチ1資格取得までの日数

前述した共通科目にかかる45時間と、受講者が集合して行う講義・試験で20時間かかります。
これだけの時間を、すべてこなして初めて取得できます。

受講者が集合して行う講義など20時間ですが、実際には3日間が必要です。
概ね、初日と2日目は連続した2日間、最終日はその2週間後、というのが基本になるようですが、実施場所やその他の都合により変わることがあるかと思います。

初日と2日目は、それぞれ8時間ずつ。最終日は試験と閉校式で4時間程度が見込まれています

ここだけの話ですが、自分が受けたときは、最初に配られる日程表と実際に行った講義とで、だいぶ変更がありました。座学の時間が減らされ、体育館での実技の時間が大幅に増えました。

レポートの提出

実は、初日にレポートの提出を求められます。これは、公認コーチ1受講登録の際に通知されますが、コーチングにあたって必要となる知識について、自分の言葉で2000文字程度のレポートの提出が義務づけられています。
自分の時は、指定されたテキストのハラスメントについての章を読み込み、それについての自分の考えをレポートにまとめる、という内容でした。書き上げるまでに半日かかりました。ある意味、これが一番つらかったです。

なお、指定されるテキストは、[コーチングバレーボール(基礎編)]です。
このテキストは必須になり、全日程において必携となります。

初日

初日は、集合時に自分のポジション、身長を伝えます。後に行われる実技のグループ分けに利用されます。

その後、開校式を行い、90分程度の座学を行いました。指導者のあり方についてです。プレイヤーズファーストの考え方、ハラスメントの根絶に向けて、などなど。バレーボールのスキルよりも指導者としての人間性についての講義と思ってもらえれば構いません。

この講義を受けた後、10時過ぎからは体育館に移動しました。そこからは、ずっと体育館での実技です。

体育館での実技は、いくつかのグループに分かれて行いました。
グループ内での自己紹介に始まり、グループ内でのアップと行っていきます。講師は特に出だししません。グループ内で話し合ってリーダーを決めて、アップを行ってくださいという指示です。実は、ここからグループディスカッションが始まっているのです。
実技自体は、半コートを使用してのサーブカット、ディグ(アタックカット)、スリーメンと行っていきました。ここでも講師は指示を出しません。ただ、サーブカットではサーバー、ディグではアタッカー、スリーメンは攻撃側、これらは全員が必ず行ってください。受ける側は全員やらなくても構いません。とだけ指示がありました。

このあたりでお昼休憩となります。お昼は、実施場所から出ることができますが、時間が限られていることや、近くにコンビニなどがないこともありますので、先にドリンクとともに購入しておくことをお勧めします。

午後も体育館で実技指導です。
アンダー・オーバーそれぞれ直上1分以上(受講者が誰も失敗しないという奇跡が起きました)、3人でのランパスなどを行い軽くアップします。
その後は自分の時はグループ対抗バレーボール大会になりました。チーム内で監督、ヘッドコーチ、ポジションなどを決め、全チームの総当たり戦でした。受講者同士、ほぼ全員が初めて顔を合わせるような中で、結束力を高めてバレーボールをプレイする。指導者にとって必要なことだとは思いますが、なんかもう単にバレーボール部みたいな雰囲気になっていました。他の受講者いわく「これだけビッチリバレーボールやったのは、学生時代以来」だと。講習を受けるというよりも、バレーボールを楽しみに行った感じです。

日程表には、初心者導入法とありましたが、やってないです。

2日目

2日目は、まず座学で競技規則と審判法の講義です。この講義では、バレーボールのルールについての筆記試験を行いました。答え合わせをしながら、A級審判資格を取得している講師から、個々の問題についての詳細な解説がありました。この試験の得点は、公認コーチ1の資格取得に影響しません。

あとは体育館で実技指導です。この日はグループディスカッションも行います。講師から議題を言い渡されますので、それについてグループ内でディスカッションを行います。
ここでも特段講師からの指示はありません。話し合っているのを眺めている感じです。

この辺でお昼になりました。

昼食後は座学です。救急法の座学を受けます。講師が懇切丁寧に説明してくださるので、メモを取りながら受けましょう。必ず役立ちます。また、この際にスポーツ医学検定についての紹介がありました。この資格があるからと言って医療行為が行えるわけではありませんが、指導者にとって最低限の知識であるということで、取得を勧められました。

その後は、ビーチバレーボールについての座学がありました。自分の時は、写真や動画を多用してくださり、割と興味を持って受講できました。これが役に立つ日が来るかどうかはわかりません。

2日目最後は、体育館でのアップとダウンの講義です。ダウンの講義は初日にやっていただければ助かったのに、というのが本音です。
そして、最後に行われる試験の内容について伝えられます。

最終日

最終日です。試験だけの日です。


まずは、筆記試験です。これは、指定のテキストを必ず持参するように指示されます。なぜなら、問題の答えは、ほぼすべてがテキスト内に記載があるからです。問題を読んでテキスト内を探して答えを記入する。これだけです。ただ、一部テキスト内に答えがない、バレーボールプレイヤーにとっては一般常識レベルの問題が出題されました。自分の時は、ネットの高さを答えるものでした。他の問題をすべて正答できていれば、落としても点数は足りるはずです。この筆記試験については、まったく心配はいりませんし、前もって勉強する必要もありません。
試験後に模範解答が配られ、「隣の人と解答用紙を交換して、丸付けをする」という、小学生みたいなことをやりました。

続いては実技試験です。自分の時は、以下のようなテストでした。

  • 壁打ち
  • 手上げトス(各2本ずつ
    • レフトへのオープン
    • ライトへのセミオープン
    • センターへのAクイック
  • 相手コートを縦に3分割し、以下の各エリアへのサーブ(各連続2本)
    • ライトエリア
    • センターエリア
    • レフトエリア

以上です。バレーボールプレイヤーであれば、どれもこれも簡単な内容です。というか、最低限のスキルです。

壁打ちは7回以上でクリア、手上げトスは上げられればクリア、サーブは6割成功(2本まで失敗可)でクリアです。サーブのテストでは、打ち方やボールの速さなんかは問われません。フローターだろうが、下から打とうが構いません。山なりだろうがなんだろうが、エリア内に入ればOKです。

ただし、どの実技試験も、クリアしなくても資格取得はできるようです。
というのも、コーチ1では、バレーボールのスキルよりも・・・

  • プレイヤーズファーストの考え方
  • ハラスメントの根絶
  • 指導者としての人間性

が最重要視されるためです。
講師の方に言われたのは、「バレーボールのスキルは後からつけてもらって構いません。どこかで練習してくれれば構いません。ただ、指導者のあり方は忘れないでください」とのことでした。

最終に閉校式です。受講者一人一人に、名前入りの修了証が授与されます。後日(翌年度の夏頃と言われましたが)ちゃんとした公認スポーツ指導者登録証が送られてきます。この登録証があれば、公認コーチとしてベンチ入りできますし、全国大会に出場することができます。

最後に

バレーボールの公認コーチ1の資格取得は、正直言えばプレイヤーであれば、時間があれば取得可能です。また、地域のチームに指導者として登録する際には必須の資格です。指導者として活躍されるのであれば、取得しましょう。
例年であれば、講習会の開催場所とスケジュールは8月ごろに発表になります。実施時期は、地域によりますが、10月から1月くらいが多いようです。

また、コロナの影響により、講習会が中止になることがあります。スケジュールなど詳しくは、日本スポーツ協会 のサイトをご確認くださいませ。
また、同協会が定めるコーチ1についての詳細は、こちらのページをご確認くださいませ。